ダブルクロスでシナリオを書く。3

http://d.hatena.ne.jp/IB_1982/20081004/1223137507
のつづき。


ちゃんと形になったんで出しておきましょう。
まずはもう一度ハンドアウト

『雨、消えた死体(仮)』

ハンドアウト

ステージは現代(適当に東京近郊N市)です。

PC1
推奨ワークス/カバー=自由/学生
シナリオロイス:北町 のぞみ 推奨感情=自由/自由

あれは夢だ。
夢であって欲しい。
でも、圧倒的に…生々しい記憶。
そうだ、早く学校に行こう。
すぐに忘れるさ。人を殺した夢なんて。

※OPまでオーヴァードに覚醒していません。


PC2
推奨ワークス/カバー=自由/警察もしくは探偵など
シナリオロイス:円 久幸 推奨感情=信頼/自由

この町で珍しく殺人事件が起きた。
しかも「おまけ」付だ。
噂によると死体が消えてしまったらしい。
おかしな事になってなければいいが…
ともかく相棒と共に関係者の聞き込みに行くしかない


PC3(人数多いとき用)
推奨ワークス/カバー=自由/UGNチルドレン
シナリオロイス:霧谷 雄吾 推奨感情=自由/猜疑心

「この資料をまずはご覧下さい」霧谷のお決まりのセリフが始まる。
しかし今回は少しばかりいつもと違う。
なにか裏を感じる、そんな作戦内容だ。
だが、やるしかない。


PC4(人数多いとき用)
推奨ワークス/カバー=自由/学生
シナリオロイス:アラン・ホールズワース 推奨感情=好奇心/自由

季節外れの時期に転校生がやってきた。
しかもアメリカ人。
おまけに困ったことに隣の席にきた!
どうする、俺!
とりあえず転校生に教科書を見せながら悩むのは最初の一言だった。


※バロール使用可。Dロイスは応相談。
※シナリオ的にPC間で敵対する事がありえます。(ないかもしれませんが)


そいでもってシナリオの内容はこれだ。

・シナリオ概要
元UGN研究者の江西文殊朗は自身の研究によってオーヴァードに覚醒するが
他者の体を乗っ取るという特殊な能力な上に、憑依中は理性がほぼ消えてしまっていた。
結果本能のままに未だに引きずっている10年前にわかれた娘の元に現れることになる。
これに霧谷の策略とFHが絡み奇妙な殺人事件が作られてしまう。
そしてこの事件により偶然PC1がオーヴァードとして目覚める。
更にこれを嗅ぎ付けたUNGアメリ支部のエージェントも干渉を開始。
互いの利害が微妙に一致しない状況は文殊朗の暴走と共に深みをましてゆく。
PC達の選択はどのように事件を動かすのか。


NPCとストーリーラインとプロット


■主要NPC
・ゲスト1【江西 文殊朗】(えにし もんじゅろう)
元UGNオーヴァード能力研究者の男。研究方針の対立によってUGNと袂を分かつ。
自らの研究によってオーヴァードとして覚醒する。
特殊な能力が顕現し、意識体を他者に投影出来るが投影中は理性が消えている。
精神を他者に投影している最中は理性的な行動が取れず、好戦的になる。
(研究が不完全なため、としておく)
データ的には普通のオーヴァードだが、自身には意識がなくエキストラの肉体を動かす。
HPが0になると投影しているエキストラは死亡する。
本人はリザレクトを使う事で侵蝕率は上がるが死亡を回避でき、再び違うエキストラを乗っ取る。
(処理としてはHPを0にすると、エキストラの死体が一つ出来上がるゲストNPC
以下に紹介する北町のぞみの父。妻とは10年以上前に離婚。
娘ののぞみとは離婚の際に分かれることになり、未だに心の片隅で気になっている。
シナリオのキーパーソンで展開によってはボスになる。


・PC1のロイス【北町 のぞみ】(きたまち のぞみ)
PC1と同い年の日本人の女。一般人。
文殊朗の娘。両親は早くに離婚しており、母方の姓を名乗っている。
PC1のOPで文殊朗の意識に乗っ取られたエキストラに襲われる。


・PC2のロイス【円 久幸】(まどか ひさゆき)
中年の日本人の男。一般人。
PC2のバディであるベテラン刑事。
UGNと独自の繋がりを持っている。


・PC4のロイス【アラン・ホールズワース】(あらん ほーるずわーす)
PC4と同い年のアメリカ人の男。オーヴァード。
UGNアメリ支部に所属し、UGN日本支部のスキャンダルを掴むために潜入。
関西弁を使用する。PC1やのぞみに積極的に近づこうとするためPC4と絡む。
場合によってシナリオのボスになりうる。


・ゲスト2【フジコ・ジュネリー】(ふじこ じゅねりー)
FHのエージェントの女。オーヴァード。
UGNからリークされた情報を元に文殊朗を探している。
PC1のオープニングで登場し、文殊朗(が操るエキストラ)を殺害。
調査のため死体を回収する。
ミドルフェイズ以降のぞみの周囲に文殊朗が登場することに気づき
正体を探るため文殊朗が操るエキストラを狩る。
シナリオのボスになる確率が高い。


■シナリオに流れる各ストーリーライン
1.江西文殊朗の暴走
研究の実験体として自身の肉体を使用するが暴走。
潜在的な欲求であった娘との交流を目的とし、北町のぞみの周りに出現する。
ただし、登場の仕方は毎度エキストラに憑依しての登場となるためわかりづらい。
のぞみに近づく者は排除しようとするので戦闘行為が発生する可能性が高い。
なお最終的に文殊朗が助かるかどうかはPC次第。


【ギミック】
PCと同様に侵食率を登場ごとに上昇+リザレクトにより上昇させる。
なお、侵食率が100%を超えるとロイスをタイタスにし昇華しながら復活。
(演出として文殊朗のロイスに憑依し乗っ取る。)
前述のFHエージェントにも狙われているため毎シーン1D10侵食率が上昇するという
処理を行う。オープンダイスで行い、情報がPCに伝わった段階で意味を明示する。


文殊朗を救う模範解答】(ただし随時PL達の意見を取り入れるなるべくそれに沿う)
文殊朗の肉体の所在を突き止め、そこにのぞみと一緒に登場し、精神を本体に入れる。
エキストラは死亡させるかその他の方法で無力化すれば精神が移動するのを利用する。
のぞみに理由を話し、文殊朗にロイスを結ばせるような示唆をすると尚よい。


PC1のハンドアウトに直結したストーリーラインの主軸の一つ。


2.殺人事件
N市では珍しい殺人事件が発生する。
通報者の証言によると通報した後すぐに死体が消えてしまったという。
警察上層部はUGNに確認を取るが関与を否定されたので通常捜査に入る。
真相は文殊朗の能力による被害者であるが、死体はオーヴァードではないため
一般的な捜査を初動にて行うことになってしまう。
ちなみに、死体が消えてしまうのはフジコが文殊朗の能力の正体を知るために
回収しているから。3体回収するとフジコは真相に辿り着きそれ以降死体は回収されない。
なお、PCが文殊朗(が操るNPC)を倒すと自動的にエキストラの死体が出来上がるが
UGNはその死体の回収を拒絶してくる。理由は後述。


PC2のハンドアウトに直結したストーリーライン。


3.UGN日本支部、霧谷雄吾の策略
江西文殊朗の件を上手く処理するためにFHを利用する。
理由は一般人の死者をUGNのエージェントに多量に生み出させてしまう可能性があるため。
後処理がリスキーな上に政治的に美味しくない材料なのでFHの利用を画策。
意図的に情報をFHに流し、かつUGNエージェントに手出しを禁じ後々FHを消すという筋書。
このため、エキストラの死体処理など、この件に関してはUGNは非協力的である。
UGNの力を利用したい場合は霧谷に適切な理由をもって交渉を挑むことが条件。


PC3のハンドアウトに直結したストーリーライン。


4.UGNアメリ支部のスパイ行為
UGN日本支部アメリ支部は旧来より微妙な関係を持ち続けていた。(というGM設定)
表向きは協力的だが、実際のところ互いに目の上のタンコブと思っている間柄。
常にUGN内部でのイニシアティブの取り合いをしている、そんな状況とする。
そんなおり、霧谷が不用意な行動を起こしていることが判明し、すぐさまエージェントが送られた。
それがアランであり、彼の目的はそのスキャンダルを上に報告することである。
PC1が事件に巻き込まれオーヴァードに覚醒した事からPC1を引き込もうとする。
(UGN日本支部へのイメージが確立する前に手駒に引き込む、という方針)
また、PC4がオーヴァードとは知らずに上手く丸めこんで利用しようとする。
最終目的は文殊朗の確保によるスキャンダル立証。(なるべく漁夫の利を狙っている)
アランはPC達が上手く処理しない限り敵対的な行動に最終的にはなる。


【アランを無力化する模範解答】(ただし随時PL達の意見を取り入れるなるべくそれに沿う)
霧谷にアメリ支部の動向をリークし、そちらで交渉をしてもらう。
アランに文殊朗の引渡しを約束し敵対関係を解消する。 など。


PC4のハンドアウトに直結したストーリーライン。(ただし牽引力は低い)

しまった。長い。長いぞ。
もう、これ以上はいいか…